西日本皮膚科
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治療
各種皮膚疾患に対する「間宮」アロエ軟膏の治療経験
「間宮」アロエ軟膏臨床評価研究班
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1987 年 49 巻 5 号 p. 919-926

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抄録

5施設が協力して, 熱傷49例, 凍瘡67例, 小規模の創傷11例, 皸裂や乾皮症を中心とした湿疹·皮膚炎群110例, 白癬の足の皸裂など皮膚感染症11例, 合計248例の皮膚疾患に, 2.5%「間宮」アロエ軟膏(以下アロエ軟膏と略す)を1日1回貼付して, その効果, 有用率, 副作用を検討した。その結果, I∼III度, 面積10%以下の熱傷において有効率95.9%, 有用率98.0%, 凍瘡においては有効率86.8%, 有用率92.5%と満足すべき成果をえた。とくに熱傷では平均日数11.7日できれいな創のなおり方を示し, よい適応と考えられた。凍瘡の治療にはより長い日数を要したが, 白色ワセリンとの優劣比較で13対0ですぐれ(同等は31例), t検定で有意差があつた。創傷と皮膚感染症の群では, 有効率それぞれ72.8%と81.8%, 有用率は両者とも90.9%と同じ値を示し, 十分に有用であると考えられた。これら4疾患群の全症例138例において, アロエ軟膏外用の副作用は1例もみられなかつた。これに対して, 湿疹·皮膚炎群の皸裂や乾皮症に用いた場合は, 効果は比較的低かつたが, それでも有効率55.5%, 有用率77.3%で, 不適合による副作用(皮膚炎)は3例にみられた。アロエ軟膏はパラベン, 抗生物質, ステロイドを含まないが, 有効率, 有用率の高い点は大きなメリットと思われる。

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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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