西日本皮膚科
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症例
広汎なリンパ管侵襲を示した悪性黒色腫の2例とその手術方法
富田 敏夫江角 浩安池田 重雄
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1988 年 50 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

きわめて広汎なリンパ管侵襲を伴つた足底悪性黒色腫の2例を報告する。1例は, 足底に生じたacral lentiginous melanoma(ALM)で, 臨床的にはstage IIと考えられたが, 広汎なリンパ管侵襲と, intransit metastasisを認めたのでstage IIIとした。鼠径リンパ節廓清の術中所見で, 大腿部の皮下脂肪組織中の多数の集合リンパ管を黒色線条として認めた。大腿三角下端には, 黒色線条として認められるリンパ管に, 大豆大の結節を認めた。組織的検索によれば, 黒色線条のリンパ管は, メラノーマ細胞と, メラノファージにより充満され, 腫瘍細胞は一部ではリンパ管壁内に浸潤し, リンパ管周囲まで浸潤が認められる部分もあつた。小結節状の部分では, すでにリンパ管の構造はほとんど消失し, 腫瘍細胞は周囲脂肪織まで明らかな浸潤を示し, intransit metastasisの像を示していた。原発巣周囲でも, 毛細リンパ管と考えられる脈管への浸潤が散見された。第2例は, 足底に生じた結節型悪性黒色腫でstage IVの症例である。本例でも, 右大腿部皮下には多数の黒色線条が認められ, 組織学的には, 集合リンパ管内での腫瘍の多数の転移巣の形成, 増殖を認めた。また足底悪性黒色腫におけるintransit metastasisの予防策として, リンパ液の流れに沿つた連続的皮膚切除術の有用性について検討し, あわせて各stage別の手術療法について述べた。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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