西日本皮膚科
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症例
Eccrine Poromaより生じたと思われるEccrine Porocarcinoma
堀内 長晴長谷川 隆哉佐瀬 裕鈴木 正夫長尾 貞紀
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1988 年 50 巻 2 号 p. 234-240

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抄録

左腹部原発の腫瘍で, 同側鼠径リンパ節転移を認めた82才男子例を報告した。扁平隆起性皮疹に気づいてより1年4ヵ月後に, その中央部に半球状腫瘤の出現を認め, 光顕·電顕所見より既存のeccrine poromaより生じたeccrine porocarcinomaと診断した。左鼠径リンパ節にその転移があつた。また本患者において血中CA19-9が高値を示した事実より, 本腫瘍がCA19-9を産生している可能性を検索するために抗CA19-9モノクローナル抗体を用い, Biotin-Strept Avidin法にて組織染色を試み陽性所見を得たのであわせて報告するとともに, 若干の考察を加えた。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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