西日本皮膚科
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症例
Cutaneous Histiocytosis X
 
松島 勇治飯島 茂子佐久間 満里子馬場 徹上野 賢一森 尚義
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1988 年 50 巻 3 号 p. 420-423

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抄録

15才男児。14才時より体幹および四肢に播種性, 対称性に浸潤を伴う紅斑が多発してきた。病理組織像は真皮浅層における組織球様細胞の巣状の集簇である。組織球様細胞は電顕にてBirbeck顆粒様物質を有し, 免疫組織学的にS100蛋白, OKT6, OKT4陽性であるので, 本症例をhistiocytosis Xと診断した。さらに, 身体所見, 臨床検査成績および画像診断上, 他臓器への侵襲は認められないため, いわゆるcutaneous histiocytosis Xとしてステロイド外用にて経過観察中であるが, 発症後1年4ヵ月を経た現在も皮膚以外への臓器侵襲をみていない。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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