1988 年 50 巻 3 号 p. 432-438
各種培養基質および培地中Ca++濃度が抜去毛毛包由来hair follicle cellの増殖, 分化におよぼす影響について, dispersed cell cultureにて検討した。その結果, I型コラーゲン, フィブロネクチン, ラミニンに比較し, IV型コラーゲンを培養基質とした場合に最も有効にhair follicle cellのコロニーが得られた。また, 培地中Ca++濃度が0.3mMのとき, hair follicle cellは最もよくコロニーを形成した。Ca++濃度0.1∼0.9mMの範囲内でhair follicle cellの分化(角化, 重層化, cornified envelope形成など)は, Ca++濃度が低下するにつれて抑制された。