西日本皮膚科
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治療
10%尿素配合クリーム製剤AH-066とAH-081の治療効果と基剤の影響(I)
—乾燥性角化性皮膚疾患を対象とした二重盲検対比較試験—
小幡 正明竹松 英明富田 靖加藤 泰三谷田 泰男酉抜 和喜夫八丁目 直寛照井 正田上 八朗
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1988 年 50 巻 3 号 p. 479-486

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抄録

基剤処方を異にする2種の10%尿素配合クリーム製剤(AH-066およびAH-081)の有用性を比較検討する目的で, 老人性乾皮症, その他の乾皮症, アトピー皮膚, 魚鱗癬およびその他の角化症を対象とした左右対比較法による二重盲検試験を実施した。なお, AH-066は, 角層水分含有量の亢進力がAH-081より6倍高い製剤である。試験薬剤投与4週後の有用度および最終全般改善度はともにAH-066が優れ, その有用率はAH-066で93.5%, AH-081で88.7%であつた。乾燥および鱗屑の症状改善は2週後と3週後でAH-066がAH-081に比べて優れていた。67症例中, 副作用を認めた例はAH-066側に1例みられたが, 軽度のため試験を継続し完了した。上記の成績から, 基剤の保湿性を高めることにより10%尿素配合クリーム製剤の薬効をさらに改善し得ることが示唆された。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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