1988 年 50 巻 6 号 p. 1100-1106
湿疹·皮膚炎群に対するヒスタグロビン(HG)週1回3バイアル投与の治療効果をHGを投与しない群を対照として比較検討した。その結果HG群の有効率は有効以上60.9%, やや有効以上91.3%, 対照群はそれぞれ27.3%, 81.8%でHG群が有意に優れており, 有用度でも同様であつた。臨床症状別では最終観察日での比較でそう痒·紅斑·丘疹·落屑においてHG群で有意に改善がみられ, 総合重症度, 全般改善度でもHG群が対照群より優れていた。両群間に明らかな治療効果の差がみられたのは治療開始後3週間後であつた。基礎薬剤の減量効果ではHG群でステロイド外用剤の有意な減少がみられた。また副作用や一般臨床検査値には両群とも特記すべき異常は認められなかつた。