西日本皮膚科
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治療
高カロリー輸液を用いた高令者の褥瘡管理
島本 順子島本 博幸中村 英雄
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1988 年 50 巻 6 号 p. 1118-1123

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抄録

各種基礎疾患により長期臥床, 経口栄養摂取不良となり, 保存的療法に抵抗性でしばしば菌血症の原因となる褥瘡を有する高令者12名(78.3±8.5才, 男子3名, 女子9名), 褥瘡部20ヵ所を対象とし, 高カロリー輸液療法を21日間施行した。褥瘡面積は開始前に比して開始後21日目に有意に減少した(16.0±12.8→13.6±13.7cm2, P<0.05)。面積10cm2以下の褥瘡10ヵ所のうち5ヵ所が完治し, とくに, 狭い表面積ながら深い瘻孔を有する2症例は, 高カロリー輸液開始後10日目と短期間で治癒した。高カロリー輸液開始前, 窒素平衡は負であつたが開始後正となり(P<0.01), また, トランスフェリン, レチノール結合蛋白の有意な増加を認め(P<0.01), 蛋白同化傾向が推定された。副作用は認められなかつた。高令者低栄養状態における難治性褥瘡の有効な治療の1つとして, 高カロリー輸液は試みられるべきと考えられた。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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