西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
集簇性ざ瘡の臨床的検討
西嶋 攝子赤井 容子増田 理恵
著者情報
ジャーナル 認証あり

1989 年 51 巻 1 号 p. 38-43

詳細
抄録

当科を受診したざ瘡患者164名のうち集簇性ざ瘡と診断した9例の症例について臨床的検討を行つた。9例はすべて男子であり, 16才から22才までであつた。主としてテトラサイクリンの全身投与による治療を行い, dexamethasoneを加えた症例もあつた。9例中7例は比較的良好な経過をとつたが, 2例は治療に抵抗し, ケロイドの形成を認めた。6例においてはDHEA, DHEA-S, テストステロン, 5α-DHT, 17α-OHPの測定も行つた。DHEAは2例で上昇がみられ, DHEA-Sは全例で上昇していた。他は正常範囲内であつた。集簇性ざ瘡の初期における診断と予後の確定は困難な場合が多いが, 一般的なざ瘡治療に抵抗し, ことにケロイドを形成するような例には, 早期に特別な治療法をとる必要があると考えられた。

著者関連情報
© 1989 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top