西日本皮膚科
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症例
巨大尖圭コンジローマとそのウイルス学的検討
福井 良昌安立 あゆみ大橋 勝
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1989 年 51 巻 2 号 p. 237-241

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抄録

外陰部に出現した巨大尖圭コンジローマの一例を報告した。組織学的には, 空胞細胞を持つた典型的な所見を示す部分と, 細胞配列が乱れ多数の細胞分裂像を含み, 悪性化を思わせる部分が存在し, 悪性腫瘍への移行期にあると考えた。電顕的観察では, 核内に径約50nmのウイルス様粒子が密に充満しており, 一部は格子様構造を示した。切除した腫瘍組織より抽出したDNAに何型のHPVが存在するかフィルターハイブリダイゼーションで調べ, HPV6 DNAと反応するDNAが検出された。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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