西日本皮膚科
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研究
SLE, PSS患者血漿中第VIII因子, β-トロンボグロブリンの測定意義
鈴木 裕介増澤 幹男西山 茂夫
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1989 年 51 巻 2 号 p. 268-271

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抄録

SLE, PSS患者における血漿中FVIII-RAg値, β-TG値を測定した。SLE42検体の血中FVIII-RAgは平均値193%(SD94)であり, 健常人コントロール群(12検体, 95±17%)と比較して有意に上昇していた(P<0.05)。また統計的有意差は得られなかつたが, SLEでは年令に比例して血漿中濃度が上昇する傾向があり, 一方コントロール群では年令による濃度差はみられなかつた。SLE各症例別に蛋白尿の有無, 赤沈, CRP, 低補体血症, CH50値低下と血中FVIII-RAgとの関係を検討したが, 有意の相関は認められなかつた。また臨床的には, レイノー症状, リベド様紅斑, アクロチアノーゼの有無と血中FVIII-RAgとの相関もなかつたが, その他の血管障害を示す臨床症状, すなわち環状紅斑, 壊死性血管炎, リベド上に生じた潰瘍, 微小血栓を有する小結節, 血栓性静脈炎を生じた各症例においては, 血中FVIII-RAgは150%以上の高値を示した。血中β-TGについてはPSS 15検体において平均値240ng/ml(SD89)であり, コントロール群(6検体, 120±23ng/ml)と比較して有意に上昇していた(P<0.01)。以上より, SLEでは血中FVIII-RAgが, PSSでは血中β-TGが有意に上昇しており, SLEでは主に血管内皮細胞の損傷·破壊機転が, PSSでは主に血小板消費·凝固機転が, それぞれ血管内で作働していると考えられた。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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