西日本皮膚科
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研究
熱傷死例(剖検例)についての検討
中村 猛彦山村 文衛丸尾 圭志水足 仁好子松永 若利荒尾 龍喜
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1989 年 51 巻 2 号 p. 277-280

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抄録

熊本大学医学部附属病院に収容された重症熱傷患者で剖検に至つた症例計11例(男子6例, 女子5例, 平均年令51.4才)を対象とし, 主要臓器の組織所見を検討し, 若干の考察を加えた。受傷の原因は火炎, 熱湯などで, Burn Indexは平均48であつた。受傷後死亡までの期間は, 6日から50日の平均23日であつた。肺·肝·腎など諸臓器の病理組織学的所見としては, 循環障害, 栄養障害による変性像と, 感染による急性, 慢性の炎症像が混在し, これに加えて既往に伴う臓器変化がオーバーラップすることで, 多彩な様相を呈していた。これらの所見は, 熱傷自体による組織のダメージもさることながら, それに付随する感染症などの因子が病像を複雑化することを示唆しており, 重症熱傷患者の治療上, さらに検討を要する問題と思われた。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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