西日本皮膚科
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研究
水疱性類天疱瘡に対するニコチン酸アミドとテトラサイクリン併用療法の試み
 
西 隆久海塚 安郎西島 君実高橋 雅弘元木 清久幸田 弘
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1989 年 51 巻 2 号 p. 288-293

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抄録

副腎皮質ホルモン剤による全身療法無効の水疱性類天疱瘡に, ニコチン酸アミド1500mgとミノサイクリン100mg内服の併用療法を行い著効を呈した2症例を報告した。症例1は19才女子で, プレドニゾロン45mg/日内服およびパルス療法はもとよりDDSにも全く反応しなかつたが, ニコチン酸アミドとドキシサイクリンの併用により, 2日後より皮疹の新生が止み, またそう痒も激減した。以後プレドニゾロンを急速に減量したが皮疹の再燃はなく, 5ヵ月間の投与で薬剤の投与を一切中止したが, 以後現在まで再発をみていない。症例2は77才の女子で, プレドニゾロン50mg/日とDDS 75mg/日で治療を開始したが効果なく, さらに胃潰瘍による大量吐血をきたしたため, プレドニゾロンをいつたん中止した。1週間後よりニコチン酸アミノとミノサイクリンの併用にベタメサゾン6mg注を再開したところ皮疹は急速に改善し, ベタメサゾン0.5mg/日との3者併用療法で, 6ヵ月後, 完全寛解状態にある。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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