西日本皮膚科
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治療
熱傷の感染に対するスルバクタム/セフォペラゾンの臨床効果の検討
石井 徹小島 伸恭藤井 勝善横尾 和久青山 久
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1989 年 51 巻 2 号 p. 335-340

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抄録

熱傷創部感染症および熱傷創の術前·術後の感染予防にスルバクタムナトリウム·セフォペラゾンナトリウム(スルペラゾンSBT/CPZ: 以下S/C)を原則として成人には1回2g(力価)を1日2回, 3日間以上投与し, その臨床効果を検討した。対象は術前より明らかな表在性二次感染あるいは創面より菌の分離がみられた8例を含む植皮術実施例26例と植皮術を実施しなかつた4例である。その結果, 植皮術を行つた26例中術後早期に死亡した2例を除き, 全例で植皮の生着を認め, これは本剤の投与により創部における菌数の増加が抑制されているためと考えられた。また, 植皮術を施行しなかつた4例においても, 創面培養および発熱などの全身症状より, 本剤の投与は有効と判定された。副作用はいずれの症例においても特記すべきものは認められなかつた。今回の治療の成績およびS/Cの抗菌スペクトル, 安全性などより考慮し, S/Cは熱傷創に対する感染および感染予防に有用な化学療法剤と考えられる。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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