西日本皮膚科
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研究
DDS投与が効果を示した円板状エリテマトーデス
植木 宏明津田 奈津美小野 雅史
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1989 年 51 巻 3 号 p. 478-483

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抄録

円板状エリテマトーデスを中心にその皮膚症状に対して, DDSを投与して治療効果を検討したところ, 14症例中9例に多少なりとも効果を認めた。円板状エリテマトーデスでは8例中5例に有効であつた。効果発現は比較的早く, 早いものでは投与後数日で認められたものが多い。とくに浸潤を伴つた円板状紅斑に効果的であつた。投与量を減量して再燃したものもある。副腎皮質ステロイドホルモン剤で維持療法中のSLEの1例で残存した紅斑に対しても効果を認めたことは, 将来ステロイド剤の減量に役立つ可能性がある。結節性ムチン沈着型にも効果を認めた事は本剤の作用機序を考える上で興味がある。副作用には常に注意が必要であろうが, とくに円板状エリテマトーデスには選択度の高い薬剤と思われる。

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© 1989 日本皮膚科学会西部支部
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