西日本皮膚科
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症例
RA因子陽性で高度な関節症状を伴つたベーチェット病
駒田 信二藤原 作平高安 進鳥巣 岳彦
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1990 年 52 巻 2 号 p. 226-230

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抄録

28才女子。発熱·口腔内アフタ·外陰部潰瘍および関節痛を主訴に入院。下腿の結節性紅斑様皮疹の既往あり。眼症状は認めない。入院時, 舌尖にアフタ性潰瘍を1個, 外陰部に穿掘性の潰瘍を認め, 左2·3指PIP関節および両手関節に腫脹を認めた。検査上白血球数の増加, 血沈の亢進·CRPの上昇を認めた。針反応陽性。RA2+, RAHA80×。HLA B5陽性。関節のX線所見では, 左2·3指PIP関節, 両手関節に著明な軟部組織の腫脹と関節腔の狭小化, 骨破壊像を認め, 手関節では強直性関節炎の像を呈した。両膝関節·左足関節部でも軽度であるが同様の変化を認めた。RAと鑑別し難い関節症状を合併した不全型ベーチェット病と診断した。サラゾピリン, アスピリン, プレドニゾロンの投与にて関節症状, 粘膜症状ともに軽快した。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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