西日本皮膚科
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治療
難治性皮膚潰瘍および褥瘡に対するDT-5621(ジブチリルサイクリックAMP含有軟膏)の多施設オープン試験による臨床効果検討
DT-5621九州地区研究班
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1990 年 52 巻 5 号 p. 1025-1031

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抄録

Dibutyryl cyclic AMP(DBcAMP)を3%含むマクロゴール基剤の軟膏であるDT-5621は, 血管拡張作用および血管内皮細胞増殖促進作用などに基づき褥瘡あるいは難治性の皮膚潰瘍の治療に有用であるとされている。そこで, これら皮膚潰瘍に対するDT-5621の有効性を自然治癒経過の影響を最小限にして評価するため, 投与開始前に観察期をおいて検討した。その結果
(1)DT-5621は観察期に全く縮小傾向を示さなかつた褥瘡, 皮膚潰瘍に早期より高い有効性を示した。
(2)115例中副作用を示した症例は1例もなかつた。
これらのことより, DT-5621は皮膚の慢性·難治性の皮膚潰瘍および褥瘡の治療に有効性が高く, 安全な薬剤であると考えた。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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