西日本皮膚科
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研究
生体顕微鏡法による微小循環の観察
—コルチコステロイドの血管新生におよぼす影響について—
戸田 則之中西 秀樹橋本 一郎
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1990 年 52 巻 5 号 p. 973-980

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抄録

血管新生におよぼすコルチコステロイド(以下ステロイドと略記)の影響を, rabbit ear chamber(REC)をもちいた生体顕微鏡法にて検討した。ステロイド投与群は, 対照群に比して, REC内の(1)sprout発現に要するまでの日数がより長く, fibrin netの層が少なくて, 血管成長速度がきわめて遅かつた。また(2)血管増殖期においては, 新生血管数が相対的に少なく, (3)血管網は疎略で, 完成時期の遅延が目立つなどの差違を認めた。すなわち, ステロイドの血管新生および成長抑制を実証し, これが創傷治癒を遅延させる要因と推察した。しかし, RECが完成されると, ステロイド投与群と対照群間に血管径, 血流速度, vasomotion(血管運動)などであきらかな差を認めず, ステロイド投与は新生微小循環動態には影響しないと考えた。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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