西日本皮膚科
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治療
皮膚潰瘍に対するL-300軟膏の臨床試用経験
山本 昇壯高橋 博之森 保片岡 和洋隅田 さちえ波多野 裕二岡野 伸二杉田 康志浜中 和子綿枝 耕二矢村 宗久岩崎 康政瀬分 秀伸森田 健司山本 匡
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1990 年 52 巻 6 号 p. 1222-1229

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抄録

親水軟膏にレチノイン酸とα-トコフェロールのエステル体(tocoretinate)を含有するL-300軟膏の第三相臨床試験として, 主として難治性皮膚潰瘍患者32例を対象に, 有効性および長期投与した際の安全性について検討した。最終全般改善度では「改善」以上の改善率は68.8%であり, 「有用」以上の有用率は68.8%であつた。副作用として1例に疼痛の発現を認めたが, 何ら処置することなく消失した。なお, 本剤に起因する臨床検査の異常変動は認められなかつた。また, 7週間以上投与した18例の長期投与例では, 改善率は83.3%, 有用率は77.8%と, それぞれ高い値が得られた。以上より, 本剤は長期投与に際して有効かつ安全で, 有用性の高い皮膚潰瘍治療剤であると思われる。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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