西日本皮膚科
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症例
陰影細胞からなる毛母腫様病変の併発してみられた脂腺母斑
—毛包·脂腺·アポクリン腺ユニットとしての脂腺母斑について—
麻生 和雄近藤 慈夫佐藤 紀嗣穂積 豊
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1991 年 53 巻 3 号 p. 490-497

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抄録

脂腺母斑病巣中に陰影細胞巣からなる毛母腫の併発した14歳男児症例を報告すると共に, 教室で過去14年間に切除手術された脂腺母斑43病理組織標本を再検索し, 脂腺母斑が毛包, 脂腺, アポクリン腺unitの奇型性母斑性病態であることを確認した。脂腺母斑の表皮増殖像の中には, 下部母斑毛包由来の, 毛包漏斗, 毛包上部からの外毛根鞘細胞増殖, またそれらと関連性のtumor of follicular infundibulum様, nevus comedonicus様, dilated pore of Winer様, seboacanthoma様, sebaceous trichofolliculoma様増殖像が種々の程度に認められ, 脂腺母斑の表皮増殖像は多分に脂腺母斑上部毛包の外毛根鞘細胞増殖によると推定された。毛母腫の併発は脂腺母斑の毛包中心性病態に深く関連している。

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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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