1991 年 53 巻 3 号 p. 525-529
症例: 37歳女子。強いそう痒を伴った環状·地図状の紅斑が短時間で遠心性に拡大·融合し, ほぼ全身に拡がった。臨床検査では, 末梢血好酸球増多(最高値: 白血球数22,000/μl, 好酸球数9,200/μl), 抗核抗体陽性, 骨髄像での成熟好酸球増多以外には多臓器障害や悪性腫瘍の合併は認めず, 全身状態は良好であった。皮膚生検組織では, 表皮内に好酸球性小膿瘍と真皮上·中層の著明な好酸球浸潤がみられた。プレドニゾロン40mg投与開始後, 緩解までに8週間を要したが, 以後はアザチオプリン50mg併用し, ステロイドを漸減, 2年後には内服を中止した。中止8ヵ月後の現在も再燃の徴候はない。