53 巻 (1991) 4 号 p. 727-731
組織作製法が表皮細胞膜のレクチン結合性に及ぼす影響について検討した。未固定あるいはホルマリン固定, エタノール固定の凍結切片, パラフィン切片を用い, ABC法による酵素抗体法と, 螢光抗体法を行って, RCA, WGA, PNA, SBA, ConAの表皮への結合を観察した。固定やパラフィン包埋という操作は反応基の隠ぺいをもたらし反応を妨げることがあるが, これらのレクチンに関するかぎり, 固定法の相違あるいは包埋の有無によって, その結合性に大差はなかった。しかしながら, 組織の構築を保ち, 非特異反応の少ない染色を簡便に行うには, ホルマリンあるいはエタノール固定, パラフィン包埋切片を用いたABC法による酵素抗体法が最も適していると思われた。