西日本皮膚科
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研究
アトピー性皮膚炎におけるMAST(Multiple Antigen Simultaneous Test)法による特異IgE抗体同時多項目測定の検討
高路 修森田 栄伸中村 浩二山田 悟山本 昇壯
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1991 年 53 巻 4 号 p. 762-766

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抄録

MAST法は最近新たに開発された血清中抗原特異IgEの同時多項目測定法である。今回われわれはアトピー性皮膚炎患者55例を対象として, 本法を用いて35種の抗原に対する特異IgE抗体を測定し得たので報告する。特異IgE抗体の陽性率が高かった抗原はコナヒョウヒダニ(69%), ヤケヒョウヒダニ(67%), ハウスダスト(58%), スギ(47%), ネコ上皮(38%), イヌ上皮(24%)であり, これら環境抗原に特異的なIgE抗体は食物抗原に比して高率に陽性であった。全症例におけるIgE抗体陽性の抗原数は平均7.1で, 5種以上の抗原に同時に陽性を呈した症例が58.2%, 10種以上では27.3%であった。これらの結果からアトピー性皮膚炎患者が多種の抗原に感作されていることは明らかで, さらに重症度別, 罹病期間別の解析から, 特異IgE抗体陽性の抗原数は重症例ほど, また罹病期間の長い症例ほど多くなる傾向が認められた。さらに抗原特異IgE抗体を同時に多項目測定でき, ラジオアイソトープを使用しないMAST法は本症患者の感作状況を把握するうえで有用であることが示唆された。

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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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