西日本皮膚科
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治療
重症乾癬に対するシクロスポリン·ソフトゼラチンカプセルの臨床効果
高田 実稲沖 真広根 孝衞
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1991 年 53 巻 4 号 p. 819-823

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抄録
PASI scoreが20以上の, エトレチナートおよびPUVAに抵抗性を示す尋常性乾癬5例と乾癬性紅皮症1例および膿疱性乾癬1例を対象に選び, シクロスポリン(CS)含有ソフトゼラチンカプセルを投与し, その臨床的有用性を検討した。CSの初回投与量は5mg/kg/dayとし, 症状の改善に応じて適宜減量した。対象とした乾癬および乾癬性紅皮症の全例においてCS投与後皮膚症状の速やかな改善がみられ, PASI scoreの平均改善率は投与4週後71.7%, 8週後88.7%, 12週後90.7%であった。また, 膿疱性乾癬例においても紅斑および膿疱はCS投与後急速に消退した。いずれの症例においても問題となるような副作用は認められなかった。以上の成績から, CSは重症乾癬および膿疱性乾癬に対して有用な薬剤と考えられた。
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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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