西日本皮膚科
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治療
重症乾癬に対するシクロスポリンの使用経験
内藤 しゅう一大久保 千真季泉 美智子本田 智子
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1991 年 53 巻 4 号 p. 830-833

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抄録

PASI 20以上の高度な皮疹を広範囲に有する尋常性乾癬3例, 乾癬性紅皮症1例, 膿疱性乾癬1例の5例にシクロスポリン(以下CYA)を投与し, その臨床的有用性を検討した. CYAは, 症例に応じて3∼7mg/kg/dayの投与量で開始し, 12週間の投与を行った。尋常性乾癬の3例中2例と乾癬性紅皮症の1例において12週後のPASIの改善率が73.3∼97.5%と顕著な皮疹の改善が得られた。また, 膿疱性乾癬の1例においても12週後にはPASIの改善率88.9%と皮疹はほとんど消退した。投与期間中に膿疱性乾癬の1例において毛包炎および口内炎が認められたが, 対症療法により軽快した。以上の結果から, CYAは全身に皮疹の拡大した重症乾癬の治療として有用なものと考えられた。

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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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