西日本皮膚科
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治療
白癬に対するBifonazoleの有用性検討
金蔵 拓郎田代 正昭
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1991 年 53 巻 5 号 p. 1072-1079

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抄録

Bifonazole 1%クリームおよび1%液の比較的軽症の白癬を対象とした一般臨床試験を実施した。有効性解析対象例45例(クリーム剤29例, 液剤16例)の最終観察日(足白癬4週後, 股部白癬, 体部白癬2週後)における真菌学的効果は, クリーム剤で93.1%, 液剤で87.5%の陰性化率を示した。皮膚症状改善度は両剤型ともに100%の改善率を示した。また真菌学的効果と皮膚症状改善度を勘案した総合臨床効果はそれぞれクリーム剤93.1%, 液剤87.5%と高い有効率を示した。安全性解析対象例48例(クリーム29例, 液剤19例)において, 自他覚的副作用所見は何ら認められず, また臨床検査値の異常変動についても本剤に起因すると考えられるものは認められなかった。有用性解析対象例45例(クリーム剤29例, 液剤16例)における有用率は, クリーム剤で93.1%, 液剤で93.8%を示した。なお被験者より調査した本剤塗擦部の使用感については, 48例(クリーム剤29例, 液剤19例)中きわめて良好ないし良好と判定された症例がクリーム剤で100%, 液剤で94.7%であった。今回われわれが実施した臨床試験成績からも, 本剤が白癬治療に有用であることが確認された。

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© 1991 日本皮膚科学会西部支部
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