西日本皮膚科
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研究
帯状疱疹後神経痛に対するカプサイシンパップ療法
蜂須賀 裕志中野 俊二楠原 正洋笹井 陽一郎
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1992 年 54 巻 1 号 p. 66-68

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抄録

トウガラシの成分であるカプサイシンは, 末梢および中枢神経系における神経伝達物質の一つであるsubstance Pを放出する作用を持つ。われわれはカプサイシンパップ剤を作製し, 帯状疱疹後神経痛の鎮痛効果について検討した。10例の帯状疱疹後神経痛患者において貼付後の疼痛が消失2例, 貼付中疼痛が消失2例, 貼付中疼痛が減弱4例, 無効2例であった。カプサイシンの作用機序として, 末梢知覚神経のneuropeptideであるsubstance Pの枯渇が想定される。本療法は帯状疱疹後神経痛に対して, 簡便かつ有効な治療法として考えられる。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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