西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
統計
熱傷患者における細菌学的検討
楢原 進一郎黒川 基樹井上 勝平
著者情報
ジャーナル 認証あり

1992 年 54 巻 3 号 p. 532-538

詳細
抄録

過去11年間の広範囲熱傷患者39例の創面, 喀痰, 尿, 血液からの検出菌を検討した。全検体中, グラム陽性菌では, S. aureus, Enterococcusの検出頻度が高く, グラム陰性菌では, P. aeruginosa, K. pneumoniae, Enterobacterが高頻度であり, 経年的には大きな変化は認められなかった。検体別にみると, 創面と喀痰からの分離菌相は類似していたが, 尿ではグラム陰性菌, 真菌の検出頻度が高く, かなりの相違がみられた。抗生物質に対する感受性は各菌種とも明らかな経年的低下傾向はなかった。また, S. aureus, P. aeruginosaでは受傷2週以内に比べ3週以降での耐性菌検出率が増加していた。

著者関連情報
© 1992 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top