西日本皮膚科
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治療
各種そう痒性皮膚疾患に対する塩酸アゼラスチン(アゼプチン®)の臨床的有用性の検討
神奈川地区アゼプチン臨床研究班
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1992 年 54 巻 3 号 p. 595-602

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抄録

神奈川地区63施設の共同研究により, アゼプチン®の蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, 痒疹に対する有用性を検討した。総症例数は911例で結果は下記の通りであった。
(1)最終全般改善度における改善率(「改善」以上)は蕁麻疹で82.4%, 湿疹·皮膚炎群で79.5%, 皮膚そう痒症で69.6%, 痒疹で72.7%と各疾患において高い改善率を示した。また, 全疾患の累計でも79.0%と高い改善率が得られた。
(2)副作用の発現は3.2%(29/911)であった。その大部分が眠気で, 重篤な副作用は認められなかった。
(3)有用度は最終全般改善度と同様の傾向を示した。「有用」以上の有用率は蕁麻疹で81.9%, 最も症例の多かった湿疹·皮膚炎で78.9%, 皮膚そう痒症で70.9%, 痒疹で75.8%と各疾患で高い有用率を示した。全疾患の累計では有用率は78.7%であった。
以上より, 本剤は各種そう痒性皮膚疾患に対し有用性の高い抗アレルギー剤であることが立証された。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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