西日本皮膚科
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研究
全身性強皮症患者にみられた手指爪の変化
前田 学市來 善郎渡部 裕子松原 勝利平野 久代森 俊二
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1992 年 54 巻 5 号 p. 918-921

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抄録

62例の全身性強皮症患者(男:女=8:54)を対象に1年間にわたって, 指爪病変を調査した。その結果, 縦溝41例(66.1%), pitting 19例(30.6%), 黒色線条16例(25.8%), 横溝7例(11.3%), splinter hemorrhage 3例(4.3%), 爪甲粗ぞう, 白斑, 色調変化が各々2例(3.2%)に, 爪甲剥離, 肥厚, 亀裂が各々1例(1.6%)にみられたが, 爪病変とPSSの重症度や罹患期間の間には相関関係は認められなかった。黒色線条はSLE患者には認められず, PSS患者の拇指に最多で, 示指, 中指, 薬指の順に多いことやRaynaud症状以外の初発症状を有する患者に多いことからPSSの病態に密接に関与している可能性も考えられた。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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