西日本皮膚科
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研究
アトピー性皮膚炎患者家庭におけるダニ抗原量の検討
久保田 由美子今山 修平橋爪 民子宮原 裕子棚橋 朋子古賀 哲也堀 嘉昭
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1992 年 54 巻 6 号 p. 1111-1117

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抄録

アトピー性皮膚炎(AD)患者家庭55例と健常者家庭16例を対象に, 寝具(敷布団)·寝室·居間の家塵に含まれるダニ抗原量をELISA法により定量し, ダニ抗原の量およびその変化と皮膚炎症状との関係を検討し, 以下の結果を得た。
1)患者家庭では健常者家庭に比べ, 布団·寝室·居間ともにダニ抗原量の多い傾向があり, 特に寝室では有意差(p<0.05)があった。
2)ダニ抗原を用いたパッチテストの陽性群と陰性群にAD患者を分けた場合, ダニ抗原量は布団·寝室·居間ともに陽性群に多く, 特に居間では有意差(p<0.05)があった。
3)床材別にダニ抗原量を比較したところ従来の報告と同様, 板や畳よりもカーペットにダニ抗原が多く検出された。
4)掃除などによる家庭内ダニ抗原の減少·除去に伴って患者の皮膚病変は軽快傾向を示した。とりわけ血中IgE低値の患者では比較的簡単なダニ除去で皮疹は軽快したが, IgE高値の患者では徹底したダニ除去が必要であった。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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