西日本皮膚科
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治療
膠原病に伴う末梢循環障害に対するシロスタゾールの多施設二重盲検比較試験による至適用量の検討
シロスタゾール膠原病研究班
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1992 年 54 巻 6 号 p. 1162-1173

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抄録

シロスタゾールの膠原病に伴う末梢循環障害に対する臨床使用上の至適用量を検索する目的で, 多施設共同の研究班を結成し, シロスタゾール100mg/日と200mg/日のレイノー現象または皮膚潰瘍に対する有用性を二重盲検試験により検討した。レイノー現象に対する効果には, 100mg/日群, 200mg/日群, プラセボ群の間で有意差は認められなかった。皮膚潰瘍に対しては100mg/日群でプラセボ群に比して優れているとの傾向が認められた(p<0.10)。全調査項目総合では3群間に有意差は認められなかった。副作用は200mg/日群では72.7%にみられ, 副作用出現率および概括安全度において200mg/日群が他の2群より劣っていた。有用度については3群間に有意差は認められなかった。以上の結果より, シロスタゾール100mg/日投与の膠原病に伴う皮膚潰瘍に対する有用性が示唆されたが, 膠原病に伴う末梢循環障害全般に対する至適用量の決定には至らなかった。

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© 1992 日本皮膚科学会西部支部
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