西日本皮膚科
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症例
慢性リンパ性白血病が発見された帯状疱疹脳炎
野上 玲子前川 嘉洋
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1993 年 55 巻 2 号 p. 232-236

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抄録

帯状疱疹の合併症としてはまれな脳炎を併発した症例を報告した。症例は78歳男子で, 疼痛に引き続き右三叉神経第3枝領域(頬部, 下口唇, 頸部, 耳介, 外耳道, 頬粘膜, 舌, 下歯槽粘膜)の帯状疱疹を発症し, 下歯槽骨の壊死を来し, さらに皮疹出現6日目に意識障害を主症状とする脳炎を合併した。脳炎は抗ウイルス剤による治療で後遺症を残さずに軽快した。入院経過中, 慢性リンパ性白血病(CLL; IgM-κ B cell)と診断され, 免疫不全に伴い帯状疱疹の重篤化, 脳炎の合併を来したものと考えた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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