西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
小児アトピー性皮膚炎, 蕁麻疹に対するメキタジンシロップの臨床効果
木村 俊次宮川 俊一小林 都江佐藤 則子小松 威彦
著者情報
ジャーナル 認証あり

1993 年 55 巻 3 号 p. 507-514

詳細
抄録

そう痒を伴う皮膚疾患(アトピー性皮膚炎, 湿疹, 蕁麻疹)を有する15歳以下の患児63例を対象にメキタジンシロップの有用性の検討を行った。メキタジンとして0.12mg/kg/日を朝食後, 就寝前の1日2回分割経口投与した。投与期間は湿疹, アトピー性皮膚炎では4週間, 蕁麻疹では2週間とした。解析対象例は62例であり, 最終全般改善度は87.1%と高い改善率(中等度改善以上)を示した。とくにアトピー性皮膚炎において観察日ごとの改善率が1週後で61.1%, 2週後で71.4%, 4週後で84.1%と漸増する結果であった。副作用, 臨床検査値について問題となるものはなく, 服薬性についても良好であった。また, 継続投与が必要でかつ可能となった11例について最長14週間まで長期使用した結果, 良好な経過並びに安全性を確認した。以上のことより, メキタジンシロップは小児の掻痒を伴うアレルギー性疾患の治療薬として有用な薬剤であると考えられた。

著者関連情報
© 1993 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top