西日本皮膚科
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治療
LHOP製剤の男性型脱毛症に対する臨床評価試験
武田 克之荒瀬 誠治渡辺 晋一永島 敬士渡辺 靖佐久間 昭
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1993 年 55 巻 4 号 p. 727-734

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抄録

育毛剤LHOP(ペンタデカン酸グリセリド2.5%, 酢酸トコフェロール0.2%を含むエタノール製剤)の男性型脱毛症に対する有用度を評価するために, 24週間の臨床無作為化比較試験を実施した。本試験は比較対照剤として, LHOP製剤からペンタデカン酸グリセリドだけを除いた製剤を用い, 二重盲検群間比較法により行った。解析対象例は不完全症例として5例を除き, 両群とも75例であった。この結果, 毛髪所見(洗髪時などの抜け毛量の変化, 軟毛の発生, 軟毛から硬毛への変化)をもとにした改善度評価においてLHOP群は高い改善率を示した。また, LHOP群, 対照剤群とも全試験期間中, 副作用は1例も認められなかった。そして, 有効性および副作用の両面から試験終了時に有用度を評価した結果, LHOPの有用率は76.0%, これに対し対照剤は32.0%で, その差は44.0%(95%信頼区間: 29.7∼58.3%)であり, 群間に有意な差が認められた(p=0.000)。以上の成績により, LHOPは男性型脱毛症に対して有用度の高い製剤であると考えられた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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