1993 年 55 巻 5 号 p. 936-940
熊本県における全身性強皮症(PSS)の実態を調査する目的で前回(1988∼1989)に続き, 1989年7月より1991年6月までの2年間の第2回調査を施行した。調査は医療施設および特定疾患受給者証交付申請書の両者より行い, 第1回調査102例であった患者に新たに44名の新規患者が調査され計146例(男性16例, 女性130例)であった。男女比は1:7.4で前回とほぼ同様であったが, 有病率は8.23(人口10万人対)で第1回調査時の5.7に比し著しい増加がみられた。しかし罹患率は1.24(人口10万人対)で第1回調査時の1.23とほぼ同様であった。受診施設は大学病院28.8%, 国·公立病院27.4%, その他の病院32.0%, 診療所11.8%で, 受診料は皮膚科49.4%, 内科45.5%, 外科3.9%, その他1.3%であった。特異抗体の陽性例は抗トポイソメラーゼI抗体は37.5%, 抗セントロメア抗体24.2%, 抗RNP抗体23.3%であった。