西日本皮膚科
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治療
ACR-59軟膏の熱傷および褥瘡に対する臨床効果
—エレース®軟膏との非盲検無作為群間比較試験—
難波 雄哉森口 隆彦大浦 武彦塚田 貞夫添田 周吾井澤 洋平一色 信彦鵜飼 卓菅原 光雄平山 峻石田 寛友中野 重行
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1993 年 55 巻 6 号 p. 1105-1111

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抄録

ACR-59を2μkat/g含有する疎水性軟膏と3単位フィブリノリジン+2000単位デオキシリボヌクレアーゼ/3gを含有するエレース®軟膏を用い, 創傷面に壊死組織を有する深達性II度∼III度熱傷および褥瘡を対象とし, ACR-59軟膏の有効性, 安全性および有用性を, 電話法を用いる非盲検無作為群間比較試験で比較検討した。その結果, 全般改善度について, χ2検定およびWilcoxonの順位和検定において有意な差が認められた。概括安全度については, 両群間で有意な差はなかった。有用度については, χ2検定およびWilcoxonの順位和検定において有意な差が認められた。副作用は, エレース®軟膏群に接触性皮膚炎が1例認められ, 投与後10日目に発現し中止3日目で消失した。また両群とも薬剤に起因すると考えられる臨床検査値の異常は認められなかった。以上のことより, ACR-59軟膏はエレース®軟膏に比べて, 熱傷および褥瘡における壊死組織除去効果がすぐれていると思われ, また安全な薬剤と考えられる。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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