西日本皮膚科
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治療
各種皮膚科潰瘍に対するKCB-1の臨床評価
—前期第II相臨床試験—
溝口 昌子芹川 宏二佐藤 光浩日野 治子堀江 康治南光 弘子池田 美智子大原 国章我妻 圭子
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1993 年 55 巻 6 号 p. 1112-1120

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抄録

塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor, bFGF)の生物活性には中胚葉系, 神経外胚葉系, 上皮細胞系の細胞分化·増殖および血管新生の促進などがあることがin vitroで明らかにされている。今回, 遺伝子組み換え技術により作成したヒトbFGFを含有する0.1%KCB-1外用液剤を週2回4週間投与し, 皮膚潰瘍に対する臨床的効果, 安全性および有用性を検討した。対象としたのは褥瘡3例, 熱傷潰瘍4例, 血管障害性潰瘍5例, その他の潰瘍7例の計19例で, 0.1%KCB-1を週2回4週間投与し, 潰瘍面積, 潰瘍の深さ, 肉芽の性状など週1回観察した。また, 治療開始前, 治療終了後に細菌学的検査と臨床検査を行った。全般改善度では解析対象18例のうち, 17例(94.4%)に「中等度改善」以上の改善が, 概括安全度は19例全例が「全く安全である」, 有用度では解析対象18例全例が「有用」以上と判定され, 臨床的有効性, 安全性および有用性が認められた。優れた臨床的効果, 安全性および有用性が認められたが, 症例数が少なかったことおよび2例(11.1%)に肉芽の過剰形成を認めたことから, 至適用量をさらに検討する必要があると考えられた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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