西日本皮膚科
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治療
小範囲熱傷に対するアロアスクD®とバラマイシン®軟膏との臨床効果の比較
武田 克之荒瀬 誠治中西 秀樹田中 伸二桑原 章山本 昇壯矢野 貴彦岩崎 泰政麻上 千鳥冨永 和行堀 嘉昭永江 祥之介小野 友道大石 空
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1994 年 56 巻 1 号 p. 138-142

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抄録

浅達性II度熱傷(SDB)の小範囲熱傷で評価可能症例22例においてアロアスクD®とバラマイシン®軟膏の臨床効果を比較し, 以下の成績を得た。1)受傷日から疼痛消失までの症例累積率の比較では, 有意差をもってアロアスクD®(A群)が優れており, バラマイシン®軟膏(B群)より早期に疼痛が軽減された。2)受傷日から滲出液消失までの症例累積率の比較では, 有意差をもってアロアスクD®が優れており, バラマイシン®軟膏より早期に滲出液が抑制された。3)受傷日から上皮化完了日までの累積上皮化率をアロアスクD®とバラマイシン®軟膏で比較すると, 両群間に有意差はなかったが, アロアスクD®の上皮化は早い傾向があった。また受傷日から上皮化完了日までの日数の頻度分布においても, 明らかにアロアスクD®のバラツキが少なく, 安定した効果が示唆された。4)副作用は全例に認められなかった。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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