1994 年 56 巻 2 号 p. 327-334
局所抗炎症作用が強く, かつ局所および全身的副作用が少ないことを特長とした, メサデルム®軟膏と角化改善作用の認められているザーネ®軟膏との混合剤と, メサデルム®軟膏と血行促進保湿作用の認められているヒルドイド®軟膏との混合剤の臨床効果ならびに安全性を比較検討した。アトピー性皮膚炎, 皮脂欠乏性皮膚炎およびそれ以外の湿疹·皮膚炎, 痒疹, 尋常性乾癬, 掌蹠膿疱症を対象疾患とした。全般改善度においては, 両混合剤ともに優れた臨床効果を示した。治療開始2週目の効果判定において, 皮脂欠乏性皮膚炎のみ両混合剤で有意差が生じ, ヒルドイド®混合剤が優っていた。全般的に両混合剤とも使用感に優れ, 副作用もまったく認められず, 高い有用性を示した。以上のことより, メサデルム軟膏とザーネ®軟膏との混合およびメサデルム®軟膏とヒルドイド®軟膏との混合は, ともに各種皮膚疾患に対し応用価値の高い混合剤であると考えられた。