西日本皮膚科
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治療
プレドニゾロン·ミゾリビン併用療法が有効であった尋常性天疱瘡の2例
森田 明理菅野 重水谷 伸辻 卓夫
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1994 年 56 巻 2 号 p. 341-345

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抄録

ミゾリビンは骨髄抑制, 肝·腎障害などの副作用がきわめて軽微でありながら, すぐれた移植拒絶反応の抑制効果を有する薬剤であり, 臓器移植以外の他の疾患にも臨床応用され, 一定の効果が認められている。今回, 尋常性天疱瘡2例に対してプレドニゾロンにミゾリビンを併用し良好な効果を得た。症例1ではプレドニゾロンとアザチオプリンとの併用で皮疹は難治性であったが, 本療法に変更後著しい改善がみられた。症例2では少量のプレドニゾロンとの併用で3年以上の長期にわたり皮疹を抑制できた。なお, 両症例においてこれまでとくに副作用はみられていない。以上よりミゾリビンはプレドニゾロンとの併用療法として尋常性天疱瘡に試みられるべき治療法のひとつと考えられた。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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