西日本皮膚科
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綜説
ヒトメラノーマ特異免疫の分子機構と臨床応用
伊東 恭悟
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1994 年 56 巻 3 号 p. 423-429

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抄録

ヒトメラノーマは薬剤や放射線抵抗性である一方で免疫療法に感受性があるため多くの免疫療法が実施されてきた。また腫瘍抗原性も高いため腫瘍免疫学領域では膨大な数の研究が報告されており, 腫瘍特異免疫の成立している数少ない腫瘍のひとつである。しかし腫瘍免疫は長い間その機能面からの解析(抗原特異性やMHC拘束性など)が優先し, その分子機構からの解析は遅々として進まなかった。そのため, 免疫現象は特異的であるものの分子レベルで研究することが困難な領域と考えられてきた。しかし最近の分子生物学の進歩に伴って腫瘍免疫の分子機構が明らかになってきた。即ち, 抗原認識に関与する3つの分子(T細胞抗原レセプターT cell receptor‹TCR›, 主要組織適合抗原major histocompatibility antigen complex‹MHC›, および抗原ペプチドantigenic peptide)の相互作用が分子レベルで詳細に解明されつつある。その解析にはほとんど抗原性の高いヒトメラノーマが用いられている。それらの成果はすでにその一部が臨床試験にはいっている。本綜説ではここ数年のメラノーマ特異免疫の分子機構に関する進歩に焦点をあてて解説し, 臨床応用の可能性についてさぐる。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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