西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
水疱様外観を呈した石灰化上皮腫
浦 博伸古屋 勉下妻 道郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

1994 年 56 巻 3 号 p. 480-485

詳細
抄録

27歳の男子。初診の4ヵ月前に, 左上腕伸側の小さなしこりに気付く。その後急速に増大し, 2ヵ月後には水疱様となってきた。臨床的には, 径20mmの紫紅色のドーム状腫瘤で, 水疱様の外観を呈しており, 内部には黄白色に透見できる可動性ある骨様硬の結節を触れた。皮膚エコー検査を施行したところ, 腫瘍に相当する部分では, エコー輝度の高い部分と低い部分とが入り交じっており, 周辺にエコーレベルの低い縁どりがあって, 後方のエコーは消失していた。組織学的には, 腫瘍塊はいわゆるshadow cellとbasophilic cellからなる典型的な石灰化上皮腫であった。腫瘍直上の表皮基底層では, 周辺の正常部に比べて著しくメラニン顆粒が減少しており, これまでに報告のみられない所見であった。腫瘍塊直上の真皮は浮腫が著しく, 拡張した管腔が多数見られ, 第VIII因子関連抗原に対する抗体とulex europaeus agglutinin-I lectin(UEA-I)とによる染色では管腔壁は陰性であり, これらはリンパ管であることが確認された。また, 自験例を含めて, われわれが調べえた本邦報告例100症例108病変について, 通常の石灰化上皮腫の特徴と比較し, 検討を加えた。

著者関連情報
© 1994 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top