西日本皮膚科
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治療
皮膚そう痒性疾患に対するアゼプチン®の臨床効果の検討
桐生 美麿堀 嘉昭
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1994 年 56 巻 3 号 p. 555-561

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抄録

多施設において蕁麻疹, 湿疹·皮膚炎, 皮膚そう痒症, および痒疹に対してアゼプチンを使用し, その臨床効果, 安全性, および有用性を検討した。回収総症例1117例のうち, 安全性の検討に1106例が採用され, うち803例が効果判定に採用された。その結果, 「改善」以上の改善率は, 蕁麻疹で79.7%, 湿疹·皮膚炎で83.5%, 痒疹で80.0%と高値を示し, 皮膚そう痒症においても65.3%と良好な値を示した。また, 全疾患では80.9%と高い改善率を示し, 副作用は40例(3.6%), のべ48件みられたが, 軽度のものが多かった。「有用」以上の有用率は, 蕁麻疹で78.4%, 湿疹·皮膚炎で81.9%, 皮膚そう痒症で63.3%, 痒疹で80.0%と, いずれも高い値を示した。以上より, 本剤は皮膚そう痒性疾患に対して, 非常に有用な薬剤であると考えられた。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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