西日本皮膚科
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治療
新規経口抗真菌剤Terbinafine錠の爪真菌症に対する臨床評価
笠原 延子中山 秀夫
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1994 年 56 巻 4 号 p. 826-835

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抄録

爪白癬19例, 爪カンジダ症1例の計20例の爪真菌症にアリルアミン系の新規経口抗真菌剤であるterbinafine錠を1日1回投与し, その臨床効果を検討した。爪甲の混濁の減少および肥厚の改善に対し良好な臨床効果が得られ, 爪白癬19例における有効率は78.9%であり, その内訳は著効13例, 有効2例であった。副作用発現症例は1例(5.3%)で, 軽度の歯肉出血とふらつきが認められたが, とくに処置を要さず消失をみた。また, 本剤に起因すると考えられる臨床検査値異常変動は全例に認められなかった。以上, terbinafineは爪白癬の治療に対し, 1日1回の内服で優れた臨床効果を示し, 安全性も高く有用な薬剤であると考えられた。

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© 1994 日本皮膚科学会西部支部
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