1994 年 56 巻 4 号 p. 836-843
テルビナフィン錠の皮膚真菌症に対する有効性, 安全性および有用性の検討を行った。爪真菌症4例(爪白癬2例, 爪カンジダ症2例), 広範囲の生毛部白癬, 白癬性毛瘡, 慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCC)各1例に対し, テルビナフィン125mg錠を1日1回投与した。爪白癬についてはグリセオフルビン無効例についても有効性が示され, 白癬性毛瘡においても4週間で治癒に至った。また, これまで治療に抵抗性を示していたCMCCの症例に対してもかなりの有効性を認めた。副作用は本剤によると思われる薬疹が1例に認められたが中止により軽快した。われわれの使用経験例は少数であるが, テルビナフィン錠は難治性皮膚真菌症に対し有用な薬剤であるとの印象を得た。