西日本皮膚科
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治療
全国多施設における全身性強皮症(PSS)患者に対するフォトフェレーシス·システム(体外循環光化学療法)の治療成績
強皮症フォトフェレーシス研究班
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1995 年 57 巻 1 号 p. 127-135

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抄録

全国の多施設で全身性強皮症(PSS)患者27例を対象にコルチコステロイド内服の対照群(A)とフォトフェレーシス群(B)の内どちらかの群に施設別無作為抽出法で1990年8月より9ヵ月間に割り付け, A群完了後にB群に編入した群(C)の3群間で, 1クール6ヵ月の治療前後の各種臨床所見と検査値の推移を比較検討した。その結果B群では強指症と色素沈着に有意な効果がみられ, C群では白血球, リンパ球が有意に低下した。その他の項目やマーカーでは3群間に有意差はなかった。「やや有効」と「やや有用」以上は各々A群2例ずつ(15.4%), B群9例(75%), 8例(66.7%)と両群間に有意差がみられた。B群に吐き気/嘔吐などの一過性の副作用が8.6%にみられ, 「ほぼ安全」(6例)であったが, 他群の全例「安全」に比べ有意に高かった。臨床, 理学血液検査項目では, C群はA群と差がみられないことより, ステロイド剤投与後に実施したフォトフェレーシスは効果が上がり難いと考えられるため, 本療法はステロイド未投与例でかつ皮膚硬化と色素沈着改善を目的とした場合にのみ有用といえる。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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