西日本皮膚科
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治療
帯状疱疹に伴う疼痛に対する抗うつ薬レスリン®錠)の使用経験
川名 誠司沈 国雄中村 健一
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1995 年 57 巻 1 号 p. 150-153

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抄録

帯状疱疹に伴う神経痛は求心路遮断性疼痛と考えられるが, その痛みの種類は単一ではなく, 遷延化すると患者の抑うつ, 不安などをひきおこし, それがまた痛みを増強させるという悪循環を繰り返すことがしばしばである。このような疼痛に対し神経ブロック, ステロイド剤, さらには三環系の抗うつ薬による鎮痛は効果的である反面, 大半の症例に口渇やふらつきなどの副作用が生じ, 治療の継続が困難になる場合が多い。そこで今回, 新たに開発された選択的な5-HT再取り込み阻害薬である塩酸トラゾドン(レスリン®錠)を用い, その臨床的有用性を検討した。その結果帯状疱疹に伴う神経痛を有する31例の疼痛は, 投与1週後から2週後に, 16例(51.6%)が消失し, 12例(38.7%)では半減した。また疼痛の軽減に伴って患者の抑うつ気分, 不安, 入眠障害, 中途覚醒も著明に改善した。さらに症例中2例の帯状疱疹後神経痛(PHN)については, 1例が投与1週間以内に疼痛がほぼ消失, 残る1例も半減以上に改善した。以上より塩酸トラゾドン(レスリン®錠)は帯状疱疹に伴う神経痛に対し, 有用性の高い薬剤と考えられる。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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