西日本皮膚科
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症例
未定型群小児らい
細川 篤上里 博野中 薫雄金城 浩邦富永 智
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1995 年 57 巻 3 号 p. 503-507

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抄録

11歳の女子の未定型群らいの1例を報告した。初診の約2ヵ月まえに脱毛と白毛を伴う低色素斑4個が出現した。DDS50mg連日投与し治療約3ヵ月で略治した。未定型群らいの皮疹は浸潤を伴わない淡紅色斑や低色素斑である。乾燥性で時に粃糠様鱗屑を伴う。知覚鈍麻, 脱失は軽度であることが多く判定に迷うことも多い。組織学的にも特徴的所見がみられず, らいの2型2群のうちもっとも診断が難しい病型と考えられた。らいの診断ならびに他の疾患との鑑別に重要な末梢神経内らい菌の検索に過よう素酸·カルボール·パラロザニリン法(原田法)とS-100蛋白の免疫染色が有用であるが, 本症例では同染色法で菌陰性であった。しかし末梢神経の部分的変性像が認められた。琉球大学附属病院では1982年∼1991年の10年間に6名の小児らいを経験しており沖縄県では新患がまだしばらく発見されることが予想された。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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