西日本皮膚科
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研究
アトピー性皮膚炎患者における血清Major Basic Protein(MBP)の検討
森田 栄伸山本 匡岩崎 泰政高路 修山本 昇壯
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1995 年 57 巻 3 号 p. 515-519

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抄録

アトピー性皮膚炎患者において好酸球顆粒蛋白であるmajor basic protein(MBP)の血清中濃度を測定し, これが臨床的パラメーターとしていかなる意味を持つか検討した。アトピー性皮膚炎患者95名について血清MBP値を測定し, その値と臨床症状, 末梢血好酸球数, 血清IgE値, 血清eosinophil cationic protein(ECP)値との相関を検討した。血清MBP値はアトピー性皮膚炎患者で皮疹の重症度にともない高値を示し, 治療により有意に低下した。血清MBP値と末梢血好酸球数との間には有意な相関がみられたが血清ECP値との相関は弱かった。また血清MBP値と血清IgE値との間にも相関がみられ, 両者間にはなんらかの関連が示唆された。血清MBP値は血清ECP値とともにアトピー性皮膚炎患者において好酸球活性化の指標になるとともに疾患の活動性の指標にもなりうると考えられた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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